『日々是香日 VOL.26』 ~沈香~

こんにちは、お香のセレクトショップ「kuyu(クユ)」のスタッフM.Iです。

 

 

お香に使われる主な原料をご紹介します。

お香やお線香の香りのもとになる原料のことを「香料」といい、「香料」には様々な種類があります。「香料」は化学的に合成されるものなどもありますが、伝統的な香りのお香やお線香には天然香料が使われていることが多い様です。

深く知ると、香り選びがもっと楽しくなるはずです。

1弾は【白檀】でしたが、今回ご紹介するのは・・・

 

 

 

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【沈香 agarwood

ジンチョウゲ科の樹高の高い常緑樹の樹皮が菌に感染したり傷がつくと、それを治すために植物自身が樹液を出します。この樹液が固まって樹脂となり、長い時間をかけ胞子やバクテリアの働きによって樹脂の成分が変質し、特有の香りを放つようになったものを沈香(じんこう)といいます。※沈香という名前は「沈水香木」、つまり普通の木よりも比重が重いため「水に沈む」ことに由来しています。

 

 沈香のもとになる木は、大人の木になるまでに約20年かかり、沈香ができるまでに50年、高品質の沈香になるには100~150年かかると言われています。沈香ができるメカニズムには現在でも謎が多く、また偶然性に左右される面が大きいことから、人工的に生成することは極めて難しく、とても貴重なものとして扱われています。現在では沈香の乱獲を防ぐため、ワシントン条約の「附属書Ⅱ」(必ずしも絶滅のおそれはないが取引を厳重に規制しなければ絶滅のおそれのある種となりうるもの)に指定されています。

 

 

沈香は産地によって「シャム沈香」、「タニ沈香」と分類されることもあります。シャム沈香は、インドシナ半島(タイ、カンボジア、ベトナムなど)で産出される沈香で香りの甘みが特徴、タニ沈香はインドネシアの島々で産出される沈香のことで香りの苦みが特徴です。

 

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梅薫堂 ホームページ「香木・香料のはなし -沈香-」より抜粋

 

 

沈香を六種類に分類した「六国」というものもあります。

六国とは、伽羅(きゃら)・羅国(らこく)・真那賀(まなか)・真南蛮(まなばん)・寸聞陀羅(すもんだら)・佐曾羅(さそら)と、香木の出港地を元に考えられた分類だそうですが、本来の産地名ではないので、六国の概念が固まって以降は、香りの性質のよって六国に分類されています。

 

また、沈香の中でも特に上質なものを【伽羅】といいます。

さまざまな条件が揃わないと認められません。こちらについては、また【伽羅】についてのお話で触れたいと思っています。

 

※補足※ 上記、下線部分について・・・

あくまでも、由来であり、実際には沈水香木と呼ばれる香木でも水に沈まないものもあります。

沈水香の定義は沈香樹の樹内に、樹脂が沈着した部分を指すそうです。その部分が沈むか否かは樹脂の沈着度合いにより、樹脂が緊密に溜まっていれば沈み、薄く溜まっていれば沈みません。そして樹脂の量と香りの質は相関関係にはなく、樹脂の質が良ければ沈まなくても良質なものとして認められるそうです。

 

 

 

ひとことで【沈香の香り】のお香と言いましても、香料や漢薬の配分・調香によって様々な香りの表現がなされています。

 

いろいろな商品をお試しいただいて、お気に入りの一品を見つけてみてはいかがでしょうか。

 

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《香りとともに暮らす》

「日々是香日」

香りとともに素敵な毎日を…

自分の気持ちや環境に合わせて香りを愉しむことで、毎日の暮らしに彩りを。ここでは「今日のワタシのための香り選び」をテーマに商品をご紹介します 

 

 

LIKE LIKE INCENSE Vol.26

 

 

 薫風 じんこう  スティック60本入り香立付

みのり苑 ¥2,750(税込)

 

 

天然木そのものだけを使用した上品な香りが特徴です。

どことなく漂ってくるような、素朴でほのかな香りをお楽しみ下さい。

 

 

スティックタイプ

 燃焼時間:約 13分

 

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